80才目前の母は、昔の二槽式洗濯機世代です。 簡単に洗いとすすぎを済ませたい母は、全自動洗濯機に不満があります。
お年寄りにとって、本来全自動の機器は便利なはずです。 とても嬉しいことに、年齢のわりに元気で体が動く母は、全自動ではなく、自分の意思で動かしたいようです。
説明書に手順が載っていても、母は「内容についていけない」とこぼしていますが、私でも説明書を見るのに苦労することがあります。 母と同じように、機械に詳しくないお年寄りの方は、苦労されているかもしれません。
機械に詳しくないお年寄りが、苦労しているのと似たような状況になっているのが最近のライターです。 ライターのボタンは、子供の火遊びを防ぐため、簡単に点火できないように、とても固くなっています。 そのため、タバコをたしなむお年寄りや、手に障害がある方にはとても不便で困ってしまいます。 本来、大人が使うはずのライターが、大人にとって使い難くなるのは本末転倒です。 危険から子供を守るのは親の役目です。 手の届かないところに保管するなど、親がしっかり管理すれば、ライターのボタンをそれほど固くする必要がなく、使いやすくなるでしょう。
お年寄り向きの家事が楽になるような機器でも、時と場合によって、お年寄りに“不向き”になってしまうこともあります。 お年寄りに限らず、本来の使いやすさや便利さが逆効果にならないように、メーカーの配慮を願わずにはいられません。